Sunday, June 26, 2011

千里を照らす (大橋建一)

千里を照らす

「一隅を照らす」は父の座右の銘で、知事在任中は色紙を出されると好んで「照于一隅」と書いていた。和歌山に帰ってきてから、何軒ものお宅で「お父さんに書いてもろたんや」と色紙、額などを見せていただき、長く持っていてくださったことに感激したものだった。
この言葉は、最澄の「山家学生式」の一節「径寸十枚非是国宝 照千一隅此則国宝」が原典で、かつては「照于一隅此則国宝」と読んで<一隅を照らす(人こそが)これ即ち国の宝なり>という意味だとされていた。しかし、 今から30年近く前に、和歌山市出身で古代仏教が専門の薗田香融・関西大名誉教授が、原典は字から見て「照千一隅」だということ、この言葉は戦国時代の斉 の威王が、隣国の魏の王の「自分は宝として直径1寸の球を十個持っていて、この玉で24台の車の前後が照らせる」という自慢話を聞き、「私は玉は持ってい ないが優れた武将を持っている。彼らは国の一隅を守り(守一隅)敵を寄せつけず、国内の治安もうまくいっている。千里(国全体)の広い範囲を照らしている (照千里)。この人材こそが私の宝だ」と言ったという故事に基づくことを明らかにした。
従って「照千一隅」は「一隅を守るは千里を照らすなり」という意味で、すべての人がそれぞれの分野で全力を尽くして生きて行くこと(守一隅)が、結局は国 全体を照らすこと(照千里)になるという考えを示したものだというのが今の学界の定説なのだそうだ。父も昭和48年の講演の中で「世の中に生きている一人 一人が、自分の立場で少しでも周囲を明るくしていくと言うのが本当の意味です」と語っている。
このことを私は知っていたので、選挙の時、座右の銘を「一隅を照らす」と言わなかったのだが、初めの後援会入会案内などには、断りなく「一隅を照らす」を私の座右の銘としたものがあった。もちろんどちらの意味でも、素晴らしい教えには違いないが……。

 www.ken-ohashi.jp

 

 

 

 

 

 


(上)父が書いた「照于一隅」の額

(下)最澄自筆の山家学生式の一部。
左から2行目の下に「照千一隅」とはっきり書かれている
=2000年8月18日の毎日新聞夕刊から

杉本文楽

杉本博司が演出する曽根崎心中、見たかった・・。8月14、15、16日の3日だけでは、どうにも都合がつかない。再演を希う。

http://sugimoto-bunraku.com/message/

未来のためのアート@いわき市立美術館

吉田重信、蔡國強、宮島達男、河原温の作品。来場者が少なく、一人でじっくり作品に向き合うことができた。主催者にとっては残念なことだろうが、鑑賞者には最高だ。

吉田重信は初めて。樹木に光を照射した写真が新鮮だった。展覧会のHPに載っている作品は、実際は動画。車窓から撮影したボルドーの景色らしい。色を限定することによって新しく見えてくるものがあることに気づく。

http://www.city.iwaki.fukushima.jp/kyoiku/museum/011557.html

蔡國強の大きな作品は、ビジュアルとしても魅力的だが、参考展示されていた資料を手掛かりに全ての言葉を読み込んでいったらさぞ面白いだろう。

宮島達男はデジタルカウンターでは比較的初期のもので、すっきりとコンセプトも伝わってくる。二列を、直交する壁に数十センチの高低差をつけて配置し、しかも一列は倒置させた。宇宙の果てまで行って戻ってくるメビウスの輪か。

河原温は、あれだけをぽんと置かれても、初めて見たらちょっと困るだろう。

6月30日まで。無料。

 

朝鮮磁器の線

茨城県陶芸美術館で見た「石井コレクション 東洋陶磁の華」展は、「明・清・朝鮮・有田を中心に」が副題。有田も素晴らしかったのだが、明・清・朝鮮の後では、うーん、かなわん、という印象。展示された有田が日常の器中心だったこともあると思うが。

特に、今回は、朝鮮磁器に見入った。器形が、もうこれしか無いというもの。よく見るような花瓶であっても、この曲線がほんの1ミリ内側でも外側でもいけないのだろうという線なのだ。

それでいて、厳しさや冷たさは感じさせない。凛として、しかも、温かいのだった。

Wednesday, June 22, 2011

午前4時の入浴

多めの晩酌で酔いが回り、昨夜は風呂に入らぬまま眠りに落ちた。暑さで寝苦しかったせいもあるのか、3時過ぎに目が覚めてしまい、起き出して雑誌の流し読みをするうちに4時。そっと浴室へ。

そこにはまだ薄い闇が残っていたが、電灯を消して、ぬるめの湯に浸かった。光がゆっくりと増していく。

どのくらいそうしていたのか。さーっと明るくなった。日の出なのだろう。

 

Sunday, June 05, 2011

 
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