村上が、「このトリオでは皆さんが持っている山下さんのイメージとは違う繊細なところを聞かせたい」と言っていたが、確かにそういうセッションだった。
かつては肘打ちまで繰り出した格闘技のような山下の即興も、今は一つの洗練された様式となっており、それは美しいものの少し寂しいなとちらっと感じもしたのだが、そうではなかった。その様式を背景として、山下はさりげなく、歌うのだ。どこか武満徹を思わせるような、喜びと悲しみが溶け合った歌を。
村上の緻密に音色がコントロールされた端正なドラミミングと、坂井の熟達のベースが、山下のピアノと見事にマッチしていた。時折見せる三人の笑顔がまた良かった。
村上“ポンタ”秀一 -Syuichi“PONTA”Murakami-(Dr)山下洋輔 -Yousuke Yamashita-(P)
坂井紅介 -Benisuke Sakai-(Ba)

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