Friday, July 06, 2012

平成24年7月5日「水戸市名誉市民・吉田秀和水戸芸術館館長お別れ会」

開会直前の到着だったため、ACM劇場の方で参列した。

吉田さんの本はごく一部しか読んでいないが、大好きだった。日曜朝(当時)のFM番組も時折聞く程度だったが、その都度、心の中で最敬礼していた。一つの曲、一つの演奏が、なぜこのように作られ、奏でられたのかを、ここまで広い視点で捉え、深く掘り下げるのか、と。それでいて、衒学臭は全くなく、吉田さんの音楽に対する愛情を感じて、こちらも嬉しくなってしまうのだった。

教養人という言葉は吉田さんのような人のためにあるものだと思ってきた。

献花の順番を待つ間、劇場のスクリーンに映された、芸術館開館式典における吉田さんの館長挨拶を聴いた。冒頭に「開館を宣言します」との言葉があったが、これはまさに「芸術館宣言」だった。各部門について、なぜ中原さんの現代美術なのか、鈴木さんの演劇なのか、そして自分が監督するクラシック音楽なのかを明快に語った。市民のものであることと世界に開かれた場であることを必ず両立させなければならないと力を込めた。最後は、「これが芸術館のphilosophyです、Theseです」と締めくくった。まさに「芸術館哲学」だった。「ぼくがいる間はこれを曲げない」と、穏やかだが、強烈に決意を表明した。この哲学を曲げないことがいかに困難な道であるかを知り抜いているがゆえの強さだと感じた。

そして吉田さんは、この時の決意表明通りに館長の仕事をやり抜き、我々に大きな財産を残してくれた。引き続き我々が立ち向かわなければならない困難と共に。

お別れ会の最後は、吉田さんの長女、真佐子さんの謝辞だった。その中で、事務局長の名前が出た時には胸が熱くなった。大津君、どんなにか大変だと思いますが、頑張って下さい。応援します。

http://arttowermito.or.jp/other/other.html?id=278

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