Saturday, January 02, 2010

日常言語と科学

日常言語では動物の範疇に入れていたものを科学的に仔細に検討したところ、その生物には動物一般の特性のうち欠けているものがあり、一方で植物一般の特性は備えていた、ということは起こる。
その場合、科学者は、この生物を動物と分類していたのは間違いで、今後は植物に分類する、と言うだろう。

しかし、本来、これは「間違い」なのではない。日常言語が捉える範囲の特性では、それを「動物」と呼ぶことに大方の人は異論がなかったのだ。
ただ、科学的知見が蓄積されてくると、科学の世界では分類を変更しないと色々不便だ、ということなのだ。そういう場合は、大方の同意があれば、科学者の提案にそって、日常言語の方でもそれを動物から植物に分類変更すればいいわけであり、そうなった例は多いだろう。
こういうことが、日常言語が捉える範囲を拡大するきっかけにもなっていく。
脳死という概念が普及し、科学者のみでなく一般の人々が理解するようになったことにより、「死」という日常言語を当てはめるか否か判断するときに見ておく範囲が広がる(瞳孔や脈拍等、身体感覚だけで捉えられるものだけでなく、器械を用いないと分からない脳波もチェックする)というようなのは、典型的な例といえる。

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