フォーマットと言えば、山水画のフォーマットもすごい。
北京の瑠璃廠には、書画骨董の店が何十、いや恐らく100店以上も並ぶ。当然、あまたの山水画が掛けられているのだが、2、3万円も出せば、そこそこの絵はいくらでも手に入りそうな気がした。絵の前から動けなくなるほどの名品というわけではないが、わが家に掛けて一応満足できる水準には達している。
これも、前に書いたジャズと同様、フォーマットがよくできているからなのだと思う。ある程度の技量を持った画家なら、このフォーマットにしたがって描くと、それなりの絵にはなってしまうのだ。
一方で、そのレベルを突き抜けたものとなると、やはり少ない。瑠璃廠でも、うなるような傑作は一部でしかなかった(奥にしまわれている可能性はもちろんある)。少ない分値段も跳ね上がり、150万円とか、200万円とかする。
いい掛け軸があったら一点買ってもいいと思いながら行った瑠璃廠だったが、結局、そこそこのものはありすぎて一点を選ぶことができず、かと言って傑作にはとても手が出ず、何も買わずじまいだった。
そのかわり、別の形の山水画を買った。内画といって、小さなガラス瓶の内側から描かれている。許歩さんというアーティストの実演を見せてもらったが、瓶の細い口から先端の曲がった小さな筆を入れて描く。信じがたい技。
これも、山水画のフォーマットができあがっている分、技に神経を集中できるからなのではないかと思う。
内画の題材は山水に限らず、書、人物、動物、西洋名画のコピー等様々あるが、壷中天を生んだ国だから山水が一番と勝手に決めている。
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案内してもらったBさんが1日目に連れていってくれた王府井の工芸品店では、作品は色々あったが実演は見ることができなかった。翌日の瑠璃廠で初めて目の前で見、最も驚いたのは、なんということのない感じで描いていることだった。
内画の存在は今まで全く知らなかったが、これは、中国に行ったのは昨年が初めてという当方の事情が原因で、内画による工芸作品は空港の土産物店にも置いてあるポピュラーなものだった。
ネットで探したところ、関連情報は想像以上に多い。内画は色々な物に描かれているのだが、sniff bottleのコレクションとの結びつきが一番強そうで、sniff bottleで検索すると内画がたくさん出てくる。(sniff bottleには内画以外のもの、例えば外側に彫刻を施したものなどもある。)
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