元国営工場の建物にギャラリーやアーティストのスタジオが入っているというので、大型の建物数棟と思い込んでいたが、実際には、大小様々の建物群だった。エリアの規模は数百m四方というところか。去年行った上海の莫山干路の数倍はある。
エリアの隣りには企業の研究所、その先には普通の店が並ぶなど、物理的には日常の世界と連続しているのだが、やはりこのエリアの雰囲気は独特。
見た中で一番大きな建物は、屋根が印象的。三角状というか、断面が4分の1円の扇形に近い屋根が何列も並ぶ(写真がないと通じないな)、かつての工場。高い天井からの光と、壁の古び方がほどよい大空間。行った日には、展示の大部分は朝陽区の紹介パネル等(これはこれで面白かったが)。アートワークは一部だったが、壁をテーマに与えられた3人のアーティストの作品は、いずれも見応えがあった。一枚、買ってもいいなと思ったのもあったが、長さ4mほどあり、飛行機に持ち込めない。
| From beijing061122-26 |
「大山子芸術地区」の銘がはいった石碑近くの建物は、大小のギャラリーに区分されている。入り口にはカフェも。一つの小ギャラリーでは、文化大革命時代の写真展。「偉大的指導者毛沢東主席万才」等々と教室の黒板に書かれた前で、20代か30代の女性達が本当ににこやかに踊っている写真に、しばし見入った。自分達を初めて社会の表舞台に出してくれたという思いが、多くの農民にはやはりあったのかもしれない、貧しいことに変わりはなくても、などと考えながら。
別の大ギャラリーでは、女性の足をかたどった大きな立体作品。ニキ・ド・サンファルのようにまるまるとした足の先は纏足。足の広げ方自体はエロティックなのだが、コミカルな感じが先立つ。同じ作家による、女性性器を巨大化してバスタブにした作品も笑える。
少し離れた建物にあるギャラリーでは、毛沢東やアメリカのブランド(コカコーラ、マクドナルドなど)をモチーフにした作品が色々展示されていた。ぼくは、毛沢東をアートにする以上、当然批判的視点なのだろうという先入観で見ていたのだが、一緒に行ってもらったM君はそうでもないのではないか、逆に毛沢東に対する敬意のようなものが感じられるという見方だった。
このギャラリーだけでなく、ウォーホルを思い起こさせる作品がかなりあり、彼はこんなに偉大だったのだと今更ながら思った。
「江湖」というなかなかしゃれたレストランもあったが、フランス料理だというのでそこには入らず、小さな中国料理レストランで昼食。煮魚が実においしかった。
エリア内には美術書中心の書店もあり、そこで「798」という写真集を買った。このエリアの空間と、ここで活動するアーティストの姿が実によく写し出されている。
今回は3時間程度しかいられなかったが、1日たっぷり楽しめる場所。また是非来よう。

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