Wednesday, November 01, 2006

声質

先日、ハンガリー国立歌劇場の水戸公演でトスカを見た。
東京公演を終えた直後の地方巡業で、トスカは4番手、マリオも2番手の歌手であったが、なかなかよかった。特に、トスカは純度の高い声に好感が持てたし、Vissi d’arte, vissi d’amoreも聴きごたえがあった。
一方のマリオは、きれいではあるのだが、少し線が細いかなという声だった。

公演前にCDで予習をして、のめりこんでしまったのが第一幕の二重唱。車を運転しながら聴いていて陶然とするほどだったが、生の声ではそこまではいかなかった。
声質の差によるところが大きいのだろうと思う。CDの方は、カラスとディ・ステファーノによる1953年の録音。カラスの声は、単純な美声ではない。色々 な成分の混ざり具合が、ドラマティックな歌に適した声を作っている。ディ・ステファーノの声は、妙な喩えだが、上等な和牛のようとでも言おうか。脂っこく はないのだが、旨みの重要な要素は脂肪成分なのだと思う。

自分には、声質を表現するボキャブラリーがほとんどないことに呆れるばかりだが、食べ物、飲み物に助けを借りるのは結構いい手かもしれない。
カラスとディ・ステファーノは、タンニンのほどよく効いたボルドーと上等なステーキの組み合わせ、とか。
水戸公演の二人は、すっきりした赤とチキン?

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