暮れの休みにデイ・トレーディングを試みた。正直に言って、面白い。実に面白い。
20年以上前に少しだけ株を買ったことがあるが(結果は急落、塩漬け)、当時とは取引環境がまるで違う。ネット証券会社のページにつなぐと、日足どころか分足のグラフが出ているし、何円に何株の売り(買い)注文有りということもすぐ分かる。その会社の業績とか財務のデータもワンクリックで見られる。自分なりの基準で候補をしぼっていく作業も、四季報のページを何度も繰ることなく、指標項目を選んでデータを設定すれば一瞬にしてフィルタリングの結果が示される。
手数料が非常に安くなったことも大きい。一日のうちに何度売買しようと合計約定額が100万円未満なら1000円もかからない。
こうなると、少し試してみるかという気にもなる。乏しいのは資金だが、皮算用をすると、2日に1%の割合で利益を出せば、年間100回複利で回して約2.7倍!10年で2万倍!!100万円が200億円になる。
いくらなんでもそんなにうまく行くわけないと一応考えるが、気分はかなりハイ。9時の始値を確認するとやもたてもいられず3銘柄に指値で買い注文。現在の株価で注文したからすぐ約定。ここからが忙しい。銘柄を切り替えながら「情報更新」ボタンをひたすらクリックして値動きをチェック。全体の動きも重要と俄か勉強をしたので、日経平均も合間に確認。ビギナーズラックというのはあるもので、30分足らずで1銘柄は約2%値上がり。もっといけそうな気もしてくるが、いやいやここで欲張らず決めたとおりに行動するのがビリオネアへの道だと自分に言い聞かせ、売り注文。別の1銘柄は損切予定ラインを間もなく下回ってしまいこれも売り。売ると数秒後にはもう購入資金に使えるので、急いで候補を探して買ったが、また下がり始めた。ここで早くも決断が揺らぐ。損切ラインを越えても売るべきじゃない、この株は絶対上がる、下がったら逆に買うべきだという声が頭の中から聞こえてくる。しかし、資金が足りない。結局、ネット銀行から不足分を入金(これもあっという間にできてしまう)し、追加で買った。確かナンピン買いとかいったはずだが、この方針変更がたまたま当たり、後場で上げて、無事売り抜けた。
結局、1日で、損得合わせて居酒屋の飲み代ぐらいは稼いでしまった。
戦果に大いに満足しつつも、どうもこれは変だという思いが徐々に頭をもたげ始めた。そもそも、こんなにPCの前に貼り付いて目を凝らしていたら体がもたない。会社をやめ、これで生活している人もいるというが、数字だけ操作して所得を得るなんて、まともな仕事とは思えない。
株式売買は成長力のある企業の資本を増強することによって経済成長に貢献することなのだという類の言説は到る所にあるが、これは、そんなものではない。少なくともデイ・トレーディングは単純にギャンブルだ。ギャンブルといってまずければマネー・ゲームだ。
業績やら財務やら経済っぽいことを色々調べているから、何かギャンブルより真っ当なことのように思いそうになったが、そんなことはない。仮に競馬が2時間かかるレースで、走ってる間に馬券を売買できるとしたら、そっくりのゲームになるだろう。事前に調べるのが企業情報かサラブレッドの系統かの違いがあるだけだ。
と整理がつき、やめたかというと、そうはいかないのがゲームの魔力。デイ・トレーディングこそ時間がないから無理だが、ウィークリーでは何度か動かす。ライブドアショックは一時的、日本経済はファンダメンタルズが強いから必ず短期間で回復するとおまじないを唱えていたら、実際上向いてきてにんまりている。
まあ、ビリオネアは200%無理、あてにならない年金を自力で補うのも99%無理で、たまに昼食代が出れば上出来だということは、短期間にしっかり叩き込まれたけれど。
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1 comment:
株の売り買いについて、「まだはもう、もうはまだ」と言う言葉があるそうです。
短期間の売買でドキドキ、ハラハラしてお金を儲けたり損したり、競馬に似てますね。(ただしこの場合、自分が騎手ですね。)
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